EMAIL & INFORMATION SECURITY

ファイルサーバーは守っても、メールの添付ファイルは盲点になっていませんか?

共有フォルダーの権限やウイルス対策は気にしていても、何年も前の添付ファイル付きメールは、そのまま忘れていないでしょうか。毎日のやりとりに紛れて見過ごされがちなメールボックスのリスクと、必要な情報を守りながら整理する方法を解説します。

MAILBOX BLIND SPOT

対策しているつもりでも、メールは見落としやすい

情報漏えい対策というと、ファイルサーバーやクラウドストレージのアクセス権限、ウイルス対策などを思い浮かべる方は多いでしょう。その一方で、日々の連絡に使うメールは「会話の記録」として見過ごされ、見積書、契約書の草案、顧客情報、社内資料などの添付ファイルが何年も残っていることがあります。

メールは一通ずつ届くため、保管場所として意識されにくく、古い添付ファイルがどれだけ蓄積しているかも把握しづらいものです。しかし、アカウントにアクセスされれば、過去のやりとりをたどられ、現在の業務には不要なファイルまで閲覧・持ち出しの対象になるおそれがあります。普段の対策からこぼれやすい、気づきにくい情報の保管場所なのです。

「古いメールだから価値がない」とは限りません。情報の価値は、メールを受け取った時期ではなく、含まれる内容や漏えいした場合の影響で考えましょう。

THREE CONCERNS

添付ファイル付きメールを放置する、3つのリスク

古くても機密性は残る

過去の顧客リストや契約書、企画書でも、漏えいすれば取引先や会社に影響することがあります。年月が経っただけで、情報が安全になるわけではありません。

ZIPとパスワード通知が同じ場所に

パスワード付きZIPと、そのパスワードを知らせるメールが同じメールボックスに残っていると、両方を閲覧される可能性があります。いわゆるPPAP方式で送った過去のメールも確認しましょう。

検索や管理が煩雑になる

不要な添付ファイルが増えると、メール容量を使い、必要な最新ファイルを探しにくくなります。同じ名前の古いファイルを誤って使うことにもつながります。

CLEANUP STEPS

必要な情報を守りながら、順番に整理する

1. 保管が必要なファイルを適切な場所へ移す

法令や社内規程、契約上の理由で保管が必要な書類は、メールから削除する前に、保管期間や保存方法を確認します。必要なファイルは、閲覧権限と保管ルールが整ったファイルサーバーや社内ストレージへ移し、メールだけを唯一の保管場所にしないようにします。

2. 添付ファイルと日付で対象を絞る

まずはメールソフトの検索機能で、添付ファイルがあり、一定期間より前に届いたメールを探します。たとえばGmailでは has:attachment before:2023/01/01 のように検索できます。

この検索式はGmailのものです。Gmail以外のメーラーでは同じ式が使えないことがあるため、特に検索方法に注意してください。Outlookなどでは、各製品の添付ファイルや受信日のフィルターを使い、削除の前に検索条件と結果を確認しましょう。

検索結果を一括削除する前に、送信者、件名、添付内容を確認します。保管義務のある記録、現在も参照が必要な業務資料、パスワード通知メールなどを誤って削除しないよう、社内のルールに沿って判断しましょう。

3. 不要なメールを削除し、削除済み領域も確認する

不要と判断したメールを削除した後、ゴミ箱や削除済みアイテムに残っていないか確認し、必要に応じて空にします。ただし、ゴミ箱を空にしても、サービス提供者の保持ポリシー、管理者による保持設定、バックアップなどにより、データが直ちに完全消去されるとは限りません。組織で使っているサービスの保持・削除ルールも確認してください。

業務上の記録を削除する前に、保存義務や社内規程を確認しましょう。迷うものは独断で消さず、管理者や担当部署に相談するのが安全です。

SUMMARY

メールは会話の道具、保管は管理された場所へ

メールボックスに添付ファイルを残し続けると、アカウント侵害時に過去の情報まで見られるおそれがあります。古いメールにも機密情報が含まれていること、ZIPとパスワード通知が同じ場所に残ること、必要なファイルを探しにくくなることを意識しましょう。

保管が必要な情報は適切な権限のある場所へ移し、メールの検索結果を確認してから不要なものを削除します。ゴミ箱を空にするだけで完全消去になるとは限らないため、サービスや組織の保持ルールも確かめてください。