新しいサービスや業務の自動化は、売上や効率の向上をイメージしやすい「攻め」の投資です。一方、セキュリティ対策やバックアップ、古くなったシステムの更新といった「守り」の取り組みは、導入しても何も起きないことが成果です。
トラブルが起きなければ、対策にかけた費用がどんな価値を生んだのかは見えにくいものです。そのため、必要な支出であっても「毎年かかるコスト」として削減の対象になりやすくなります。
もちろん、すべてのIT支出を投資と呼ぶ必要はありません。何を守るのか、どんな事態に備えるのかを明確にし、対策の必要性と優先順位を考えることが大切です。
THE VALUE OF DEFENSE
守りのIT投資が支える、3つのこと
守る対象を具体的にすると、対策の目的や優先順位が見えてきます。
01 / CONTINUITY
業務を止めない、止まっても戻す
バックアップや復旧手順を整えておけば、機器故障や誤操作などでデータが使えなくなったとき、業務を再開するための備えになります。バックアップを取るだけでなく、実際に戻せるか確かめることも大切です。
02 / TRUST
情報と取引先からの信用を守る
端末やアカウントの管理、ソフトウェアの更新、必要な範囲に絞ったアクセス権限は、情報を安全に扱うための基本です。対策を続けることが、顧客や取引先と安心して仕事をする土台になります。
03 / FOUNDATION
古くなった仕組みを使い続けるリスクを減らす
保守が終わった機器やソフトウェアを使い続けると、故障時の交換や安全な運用が難しくなることがあります。計画的な更新は、将来の突然の停止や慌ただしい移行に備える取り組みです。
DEFENSE & GROWTH
「攻め」の成果を活かすためにも、「守り」が要る
新しい価値を生む取り組みと、事業を支える備え。役割の違いを知り、どちらにも目を向けます。
| 投資の方向 | 取り組みの例 | 支えるもの |
|---|---|---|
| 守りのIT投資 | セキュリティ、バックアップ、システム更新、復旧手順の整備 | 業務の継続、情報の保護、取引先からの信用 |
| 攻めのIT投資 | AIの活用、データ分析、顧客向けサービスの開発 | 新しい価値や売上、業務の生産性 |
攻めのIT投資は「何を生み出すか」を考えやすく、投資としてのイメージも持ちやすいでしょう。守りのIT投資は「何を防ぎ、何を続けられるようにするか」が価値です。守りが整っていれば、攻めの取り組みも安心して進めやすくなります。
INVEST WITH A PURPOSE
守りの投資を、必要な備えにする3つのステップ
不安だからと対策を増やすのではなく、守るものと優先順位を決めましょう。
STEP 01
守るものを洗い出す
止められない業務、失うと困るデータ、利用中の機器やサービスを整理します。
STEP 02
困る事態と影響を考える
故障、誤操作、不正アクセスなど、起こり得る事態と業務への影響を確認します。すべてを同じ水準で守るのではなく、影響の大きさから優先順位をつけます。
STEP 03
対策を続け、定期的に確かめる
バックアップの復元や連絡手順を試し、更新やアカウント管理を続けます。環境が変わったら対策も見直します。
SUMMARY
守りのIT投資で、事業を続ける力をつくる
守りのIT投資は、何も起きないと成果が見えづらく、削減対象にされやすい支出です。しかし、業務を止めない備えや、止まったときに戻れる仕組みは、会社が事業を続けるための土台です。
目指すのは、対策をむやみに増やすことではなく、守るものと優先順位を決め、必要な備えを続けること。まずは「止まると困る仕事は何か」「その仕事をどう復旧するか」を考えるところから始めてみませんか。